【墓がない場合】知っておくべき4つの供養方法

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故人を供養する際には、葬儀の後に遺骨をお墓に納める方法が最も一般的です。しかし近年は、人々の価値観や生活スタイルの変化、少子高齢化などを背景に、供養の方法も多様化しています。本記事では、お墓の意味や必要性を改めて説明すると共に、お墓がない場合の4つの供養方法を紹介していきます。

お墓とは

一般的なお墓は、一家ごとにひとつのお墓を持つ「家墓」と呼ばれるものです。一家は檀家になっているお寺にひとつお墓を持ち、代々継承します。

実際にお墓を建てる際の流れや費用については以下の記事で説明していますのでご参照ください。

【墓】建てる際の流れ・時期・費用・注意点を解説

墓の必要性

近年はお墓のない供養方法も普及しつつありますが、家の継続性のシンボルであったり、故人との繋がりを意識できる場を持てるというメリットもあります。

お墓がない場合の4つの供養方法

ここでは、お墓がない場合の供養方法のうち、代表的なものを4つ紹介します。

永代供養

「永代供養」とは、弔う人がいなくなった後でも、墓地の運営者が責任を持って永代にわたってご遺骨の面倒を見てくれる埋葬方法をいいます。ただし「永代供養」といっても、宗教的儀式(毎月の読経など)が行われるかどうかは、墓地の運営団体によって違いがあります。一般的に寺院墓地の場合は、「朝晩、毎月、墓地に眠る人たちすべてに対してのお経を読む」としているところが多いといえます。

またこの永代供養には、下記の3つのタイプがあります。

  1. 初めから合葬墓に埋葬される
  2. 個別埋葬で埋葬されて、埋葬後50年などが過ぎた後に合葬墓に移動される
  3. 合葬されない

同じ「永代供養」といっても、AとBとCではそれぞれ形式が異なるので、よく注意しましょう。

メリット

ABCいずれの場合でも、お墓の後継者がいなくなってもご遺骨の管理を墓地の運営者が行ってくれるというメリットがあります。

また、Aの場合はこれに加えて、個別の埋葬スペースを必要としないため、墓石の建立費用や個別の埋葬箇所の確保のための費用をかけなくて済むというメリットもあります。
BとCの場合は、個別の埋葬スペースの確保を前提とするため、このようなメリットはありません。ただし、樹木葬や、小さな納骨スペースでの埋葬を選べば、費用を抑えることは可能です。

デメリット

一度合葬してしまうと、原則としてご遺骨の取り出しができないという点には注意が必要です。

Aの場合は、最初から合葬になってしまうため、「家族と一緒に一定期間の間一緒に眠りたい」という希望を持っている人には不向きです。
Bの場合は事前に「どれくらい個別の埋葬期間があるのか」を確認しておくことが必要です。一般的には「最後の人が埋葬されてから33年」などのようにしているところが多く見られますが、もっと短い期間で合葬になることもあります(墓地の運営者によっては、「期間の延長も承れる」としています)。
Cについては、選択肢が非常に少ない点に注意してください。場合によっては近隣のところでは該当墓地が見つけられず、遠方にまで足を運ばなければならなくなることもあります。

墓じまいにともなう永代供養についてはこちらの記事をご参照ください。

【墓じまい】意味・流れ・手続き・費用・代行について解説!

樹木葬

樹木葬とは、木の下を埋葬場所とする方法です。個別の埋葬スペースを確保するプランもあれば、大きな木の下に合葬されるプランもあります。

メリット

墓石を建立する必要がないため、非常に費用が安く済むのがメリットです。
広い埋葬スペース(家族で眠れる)を選んでも高くても150万円ほど、一人用の埋葬スペースで良いのであれば50万円程度、合葬埋葬プランの場合は50,000円程度ですみます。

また樹木葬は基本的には永代供養の性質を持つため、後継者がいなくても問題がないのもメリットです。さらに、自然のなかで眠ることができ、四季折々の景色を見て過ごせるのも大きな魅力です。

デメリット

樹木葬はその性質上屋外の墓地を利用することになるため、自然災害に弱いのがデメリットです。また、季節によっては植物があまりなく、寂しい空間になることもあります。加えて、「里山型」と呼ばれるより自然に近い墓地の場合は、足元や交通の便が悪く、お参りに行くのが大変というデメリットもあります。

樹木葬の場合、「木」という手を合わせる対象はあります。しかし従来型の「墓石」とは異なる形式であるため、抵抗感を持つ人もいるでしょう。

また、ご遺骨の取り出しが極めて難しい形式である点にも注意が必要です。

海洋葬

樹木葬が木の下で眠る形式であるのなら、海洋葬は海の下で眠る形式であるといえます。粉々に砕いたご遺骨を持ち、フェリーなどで海に出て、そこからご遺骨を撒くのが「海洋葬」です。
樹木葬同様自然葬の一種であり、現在多くの人に注目を浴びています。

メリット

母なる海のなかで眠ることができるのが、海洋葬の特長です。そのため海が好きだった人にとっては、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

ご遺骨を撒くというかたちを取るため、ご遺骨のお世話を考える必要がなくなるのもメリットです(ただしご遺族が希望すれば、ご遺骨の一部を残すことは可能です)。

また、費用が安いのも海洋葬のメリットです。
海洋葬は、

  • 船を貸し切って海に行く
  • 同じ目的の人と乗り合わせる
  • 業者に散骨を依頼する

の3つのパターンがあります。一番高いのは「船を貸し切って海に行く」の方法ですが、これであっても、50万円程度で済ませることができます。

デメリット

基本的にはご遺骨が手元に残らないかたちであるため、心理的な抵抗感を抱く人が多いのがデメリットです。特に海洋葬の場合は、同じ自然葬である樹木葬とは異なり、「手を合わせる対象」がありません。

お参りに行くときには毎回船の手配をしなければなりませんし、そうして海に出ても、「個人のご遺骨を撒いた場所にピンポイントで行くこと」はできません。

手元供養(自宅供養)

遺骨や遺灰を自宅で保管する供養方法のことを「手元供養」あるいは「自宅供養」といいます。遺骨や遺灰の全てを自宅に置く方法と、墓地や寺院に納骨した上で一部だけを自宅に置く方法の2通りがあります。遺骨を管理する方法は様々で、カジュアルな見た目のミニ骨壷に入れて保管したり、遺骨の一部をペンダントに収めて常に身につけておくケースなどがあります。

メリット

故人を身近に感じられることが大きなメリットといえます。また遺族が高齢であるなどの理由でお墓に通うことが難しい場合も、手元供養であれば自宅にいながら供養することができます。さらに、「配偶者に先立たれた。自分が旅立つときに、配偶者の遺骨と一緒に埋葬してほしい」などのようにタイミングを指定することもできます。

「暗いお墓の中よりは慣れ親しんだ自宅にいられた方が」という理由から手元供養を選択するケースもあります。費用面では、必ず必要なものはないため、方法によってはほとんど費用がかからない場合もあります。

デメリット

手元供養が広く知られるようになったのは2000年代半ば頃からで、比較的最近です。そのため「無くなったら家のお墓に入るのが当たり前」と考えている方からは、反対の声が上がることもあります。

また、手元供養をしている場合は、「結局最終的にはなんらかの方法で埋葬(や散骨)を考えなければならない」という点にも注意が必要です。「死後〇年以内に埋葬しなければならない」という法律はありませんが、ご遺骨の投棄は認められていないため、ご遺骨を受け継いだ人がいずれなんらかのかたちでご遺骨の処遇を考える必要が出てくるのです。

加えて手元供養の場合、ほかの人がお参りしにくいというデメリットが挙げられます。手元供養をしている場合、それ以外の人がお参りしようとすれば、毎回手元供養をしている人に許可をとり、予定を合わせなければなりません。
墓地での埋葬や海洋葬とは異なり、個別に判断してお参りにいくことができないため、手元供養をしている人以外の人が故人に向き合う機会が非常に少なくなるのです。

まとめ

お墓がない・お墓を持ちたくないという場合は、下記の4つのなかから埋葬方法を選ぶのが一般的です。

  1. 永代供養…墓地の運営者がご遺骨の管理をしてくれる。プランによって違いが大きい
  2. 樹木葬…木の下で眠る方式をとる。永代供養の性質も持つが、天災に弱い
  3. 海洋葬…海に散骨することをいう。費用が安いのがメリットだが、ピンポイントでのお参りができない
  4. 手元供養…手元で供養し続けていく方式を指す。故人を身近に感じられるが、いずれなんらかの方法で埋葬や散骨を考えなければならなくなる

ご家族・ご親族と話し合ってどの選択肢にするか決めるとよいでしょう。

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