近年、葬儀のスタイルとして増えつつある家族葬。家族葬とはいっても、どの範囲まで声をかけていいのか、費用やマナーなどは一般葬とどう違うのかなど、気になることもあるかと思います。
そこで今回は、家族葬がどのようなものか、家族葬を行う際の注意点などについてわかりやすくまとめました。家族葬について知っておきたい方、マナーについて確認したい方などはぜひ、参考にしてみてください。
家族葬とは
家族葬とは、親しい人を中心に行う葬儀のことを言います。この「家族」という言葉がどこまでを指すのかについては明確な定義はなく、家族、親族、親しかった友人によって、少人数で行われることが多いです。
家族葬にしても葬儀の流れそのものに大きな違いはありません。親しい間柄のみで行う葬儀になるため家族の想いを形にしやすく、ゆっくりとお別れの時間を過ごすことができることがメリットです。
家族葬では喪主の挨拶が不要
家族葬と一般葬は、式そのものの流れについてはほんど変わりません。異なる点は、家族葬では喪主の挨拶を省略できることとなります。
家族葬では、一般参列者が来ることはありません。そのため、通夜・告別式において挨拶をする必要がなくなるのです。
家族葬の割合
近年、大人数を招く一般葬の割合は少なくなってきています。反対に、少人数で行う家族葬の割合は年々増加傾向です。具体的な割合については、葬儀社によって差はあるものの、全体の40〜60%前後であることが多いようです。
家族葬の費用相場
家族葬の費用は、地域や葬儀社によって前後するものの、およそ40万円〜100万円前後のところが多いようです。家族葬は参列する人数が少ないため、一般葬よりは費用を少なく済ませることが可能となります。
ただし、家族葬では参列者の人数が少ない分、香典が少なくなります。そのため、費用そのものは安く済ませることができても、場合によっては家族が実際に負担する額が多くなることもありますので、注意しましょう。
家族葬における2つのマナー
ここからは、家族葬におけるマナーについてご説明していきます。
家族葬の服装のマナー
基本的には一般層でも家族葬でも、葬儀で着用する服装は同じです。ただし、家族葬は親しい人を中心に行う葬儀なので、話し合って服装を決めることも可能です。記載がなければ、通常の葬儀と同じ喪服で参加するようにしましょう。
家族葬の場合は、平服でよいとされることも多くあります。この場合の平服とは、普段着のことではありません。葬儀における平服は「略喪服」のことを指しますので、普段着で行くと失礼になってしまいます。
正喪服がモーニングコートやブラックフォーマル、和服であるのに対し、略喪服はダークスーツや地味な色のワンピース・アンサンブルなどになります。
平服で、と言われているのに正喪服を着ていくのも、場違いになってしまいます。葬儀の際にどのような服装をするのかについては、家族で話し合って決めましょう。
家族葬における香典のマナー
家族葬の場合、親族など親しい間柄のみで行うため、香典を辞退する場合も多くあります。香典を受け取ると、当日の管理や香典返しなどの手間が発生するため、最初から辞退する事例も増えているようです。
もし香典を辞退するのであれば、訃報や電話で連絡をする際に、その旨をきちんと伝えるようにしましょう。参列する側として香典不要の旨を伝えられた場合は、家族の意図を汲み取り、無理に渡さないようにすることがマナーとして大切です。
家族葬における3つの注意点
では、家族葬をする際には、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。3つのポイントをご説明していきましょう。
家族葬に参列するかしないか
家族葬の場合、家族からの案内がない限りは、一般の方は参列しないのがマナーです。葬儀の知らせが来たとしても、家族葬を行うことや参列を辞退するという意向が記載されていた場合は、参列は遠慮するようにしましょう。
家族葬ではどの範囲まで呼べばいいか
家族葬においてどの範囲まで葬儀に呼ぶかは、特に決まりはありません。家族のみの場合もありますし、親しかった親族や友人も呼ぶ場合もあります。故人の意思や家族の意向で、声をかける範囲を決めることができます。
ただし、参列しなかった方が、あとから自宅へ弔問に訪れる可能性もあります。葬儀を行う際には、そういった対応が可能かどうかも念頭に置いておいた方が良いでしょう。
会社への家族葬の連絡
故人が勤めていた会社に連絡をする場合は、「家族葬を行うこと」「香典は不要であること」を伝えるようにしましょう。
家族側の意向を伝えるという目的ももちろんですが、会社には休暇や見舞金など慶弔時の規定がありますので、そういった手続きのためにも伝えることは必要です。家族葬の場合は、葬儀が終わってから報告することも少なくありません。
会社に伝えずに済ませることもできますが、その場合は本来得られるはずの福利厚生は受けられなくなってしまいます。会社へ連絡するかどうかを迷っているときは、その点も考慮するポイントに入れるとよいでしょう。
まとめ
家族葬は、親しい人のみの少人数で行うことができるため、ゆっくり故人とのお別れの時間を過ごすことができます。また、費用も全体的に安く済ませられるのもメリットです。
ただし、どこまで呼ぶのかを検討したり、香典を辞退する連絡をしたりする必要はあります。葬儀のスタイルを検討する際には、今回お話した内容も参考にしてみてください。
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