故人にとって第二の家とも言うべきお墓は、一生のうちにそう何度も建てる機会があるものではありません。いざその時が来た時に、どこから手を付ければいいか想像もつかないという方がほとんどではないでしょうか。
この記事では、お墓を建てる際に知っておきたい流れや、気になる費用のことについても解説していきます。
墓を建てる際の流れ
お墓を建てる際には、まず場所を確保することから始めなくてはいけません。
寺院の檀家になるか霊園の区画を購入するか、これは状況によって人それぞれです。
地域や各家の風習も関連することですので、決める前に家族や親族でよく話し合っておく必要があります。
場所が決まったら、墓標の石材やデザインを決定します。
お墓の広さや予算によって材質や形が限られることもあるので、希望のデザインがある場合は事前に相談しておきましょう。
長く皆がお参りするものですから、故人や家族の想いを汲んだ墓標を建てる方も増えています。
墓を建てるのに最適な時期
お墓を建てるのに最適な時期というものはあるのでしょうか。
かつては先祖伝来のお墓に入ることが当たり前でしたが、生活スタイルや核家族化の影響で、生前に自分や家族が入るためのお墓を建てることも一般的になってきました。
生前にお墓を建てる大きなメリットとして、自分や家族の意向をすり合わせることができる点が挙げられます。
家族が亡くなった後は何かと慌ただしく、経済的にも大きな負担がかかりやすいです。
こういうお墓に入りたいという希望があったとしても、実現が難しくなってしまうケースも多々あります。
その点、生前に自分が手配すれば、落ち着いた気持ちで家族とこれからのことについて相談する時間を作ることができます。
遺されるであろう家族にとっても負担が少なく、トラブルを回避できる方法と言えるでしょう。
生前にお墓を建てることは寿陵(じゅりょう)とも呼ばれ、古来よりお祝い事とされてきました。
生前だからお墓を建てるには適さないと考える必要はありません。
一方、生前にお墓を建てるということは、それだけ管理費等の出費が多くなります。
お墓は誰も入っていなくても、一定の費用がかかることがほとんどです。
また、納骨するご遺骨がないと申し込み自体ができない霊園や寺院もあります。
家族や自分の状況を考慮したうえで、最も良いタイミングがお墓を建てる最適な時期と言えるでしょう。
墓を建てるのに必要な費用
お墓を建てるうえで無視できないのが経済的な負担ですね。
お墓を建てる際に必要な費用は、主に永代使用料・墓石代・工事費・管理費で成り立っています。
一般的に永代使用料や管理費が安価なのは公営墓地ですが、申込者が多く抽選でないと入手できないことがほとんどです。
次いで寺院墓地と民間霊園ですが、これらは地域や宗派によってかなり金額の差があります。
特に寺院墓地は周忌ごとのお布施や塔婆料が必要になりますが、目安を知っている人が周りにいないと、事前に金額を推測することは難しいかもしれません。
一般的に、お墓を建てる際の総額は150万円~200万円程度が相場と考えられています。
その中で最も多くの割合を占めるのが、墓石の購入・工事です。
長く外に置いておくものですから、質が良く丈夫なものを選ぶようにするのがポイントです。
しかし、オリジナルのデザインにしたり、石材にこだわって作りたい場合は、相場よりも高額になることもあるので気をつけましょう。
墓を建てる際の注意点
決まった菩提寺がない場合、先にご紹介したいずれかの方法でお墓の場所を探す必要があります。
しかし、どうしても適当な場所を見つけられない時はどうしたら良いでしょうか。
日本においては、許可を得た土地以外にご遺骨を納骨・埋葬することは禁止されています。
つまり、空いた場所があるからといって、私有地である自宅の庭等を墓地にしてはいけないということです。
一方、先祖伝来のお墓があまりにも遠方でお参りもままならない等の理由で、記念碑として墓石だけを建立することは法的に規制されていません。
埋め墓と参り墓が別になるということに問題がなければ、自宅の庭に墓標のみを建立することは可能です。
それでも、墓石というかたちを取る以上、近隣への配慮や親族間の感情には細心の注意を払う必要があります。
また、これらのトラブルを敬遠する石材屋も多いので、事前の相談や調整は不可欠です。
ご遺骨は入っていなくても、普通のお墓と同じくらい慎重に物事を運んでいくように気をつけましょう。
お墓を建てない場合
自分たちの死後お墓を管理する人がいないという場合、あえてお墓は建てないという埋葬方法を選ぶ人も増えてきました。
たとえ子供がいても、墓参りの手間をかけたくない、費用の問題、先祖代々の墓は遠すぎる等の理由でお墓以外の埋葬方法に対するニーズは拡大傾向にあります。
納骨堂
納骨堂はお墓を建てるよりも安価に購入することができるのと、室内にあることが多いので掃除等の手間がないことが特徴です。
ロッカーのようにたくさんのご遺骨が収蔵されており、いつでも好きなタイミングでお参りすることができます。
一定期間後は供養塔等に合葬されることがほとんどです。
お墓が建つまでの一時施設としても重宝されており、都市部にも多く建設されています。
海洋散骨
ご遺骨を細かい粉末にして海に撒くのが海洋散骨です。
比較的費用が安く、お墓の管理が必要ないことが特徴です。
自然が好きな方を中心に人気を集めていますが、ご遺骨をすべて撒いてしまうので、あとから他の供養方法に変えたいと思っても取り返しがつきません。
また、散骨については法整備が遅れており、トラブルが発生しやすいことも事実です。
近親者でよく話し合うことと、信頼できる業者に依頼することが大切です。
樹木葬
墓石の代わりに樹木を植え、その周りにご遺骨を埋葬する方法です。
家族だけでなくペットも一緒に埋葬できることや自然に還るイメージから、近年注目を集めている方法です。
基本的には散骨と同じように運用されているので、こちらも事前の情報収集が不可欠と言えるでしょう。
手元供養
ご遺骨は、いつまでも手元で持っていても違法ではありません。
最近は、ご遺骨を一緒にお祀りできるようにデザインされた仏壇や手元供養用のアイテムも数多く販売されています。
いつでも好きな時に供養ができるのがメリットですが、いずれは何らかの方法でご遺骨を埋葬する必要があります。
主に供養している方が持っていることが難しくなった場合、どうするのかを事前に話し合っておくことをおすすめします。
手元供養に関する詳しい内容は以下の記事で説明しています。
まとめ
お墓を建てるということは、自分だけでなく遺された人たちの人生にも関わる大切なことです。
費用や場所、方法等、周りとよく相談しながら最適な方法を見つけましょう。
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