老人ホームは種類も数も多い分、迷う事も多いはずです。いざ入居したいと思っても、一体どの様に探せば良いのか、どんな事を基準にすれば良いのか。ここでは老人ホームを選ぶ際のポイントを詳細解説していきます。
老人ホーム選びで抑えておくべきポイント
入居条件をまずはチェック
単純に老人ホームに入りたいと思った時に、何処でも直ぐに入居できるわけではありません。老人ホームには様々な入居条件があります。その中でも特に事前に確認しておくべき入居条件は5つです。
年齢
介護保険法は原則として65歳以上を対象としているため、介護保険施設の利用も65歳以上とされています。そのため多くの老人ホームでは介護サービスを利用する都合上、入居条件を65歳以上としていることが多いようです。ただし、住宅型有料老人ホームなどは介護サービスを利用しない方も入居できるため、65歳以下の方も入居可能です。また、法令で定められた特定疾病が認められた場合は、40歳以上からも入居することができます。
要介護度
介護保険制度は、限られた財源や介護サービスを本当に必要な方が利用できるような仕組みの制度です。入居施設でも、その人に合ったサービスが提供できるように入居条件に介護度が定められています。
必要な医療ケア
どの程度の医療的ケアが必要かどうかも、老人ホームへの入居条件に大きくかかわってきます。適切な医療的ケアが受けられるかどうかは、入居される方の生活の質や、命にまでもかかわってくることです。それぞれの介護施設が対応可能な医療的ケアをもとに、入居条件の中に対応できる医療的ケアを定めています。
保証人・身元引受人の有無
保証人、身元引受人の有無も、老人ホーム・介護施設の入居条件の一つです。理由としては保証人・身元引受人に、大きく分けて下記の4点を依頼するためです。
- 利用料金の支払い
- 緊急時の連絡先
- 施設サービス計画書や治療方針の承諾
- 入院や死亡時の対応
どこの施設も入居契約の際は保証人・身元引受人が必要となります。一般的には家族が保証人・身元引受人となることが多いです。まったく身元引受人がいない場合は、施設が負うリスクが大きいため、入居を拒否される場合もあります。しかし、近年では身元引受人がいない方のために、民間企業が身元引受人代行を行っていますので、身元引受人がいない場合は、そうしたサービスを利用するとよいでしょう。
資産を含めた収入
介護施設の性質上、「利用料が払えないなら、すぐに出て行ってください」ということが困難なため、収入の確認は入居前に必ず行われます。それぞれの施設料金を基準に、資産などを含めた収入で、利用料を支払えるかを施設側が審査を行うことがあります。審査にあたっては、ご本人または身元引受人の方の通帳を元に行うため、通帳の提示を求められる場合もあります。多くの場合は長期間利用料を支払うことになりますので、無理をせず収入に見合った施設を選ぶことが大切です。また日常生活費や娯楽など別途必要な諸費用がかかる可能性もありますので、そのことも忘れずに予算プランを立てましょう。
見落としがちな3つのポイント
認知症
認知症患者の場合、無条件に入居できない老人ホームがあります。また、軽度の認知症しか入居できず重度の認知症だと入居できない老人ホームもあるので事前の確認が必要です。
看取り
看取りとは、医学的に死が避けられないと判断された高齢者に対し、過剰な医療処置を避けて身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減する医療処置をして人生の最期までを尊厳ある生活ができるように支援することです。看取りができる施設とできない施設があるため、老人ホームでの看取りを希望するのであれば、事前に確認をしておきましょう。
退去条件
入居時には入居条件をクリアできても、入居中に認知症を発症したり、最初は看取りを希望していなかったけど看取りも希望したり、あるいは病気で処置が必要になるなど状況が変化する可能性は大いにあります。変化の状況によっては老人ホームの退去条件に該当すると退去しなければならなくなります。入居後に退去しなければならなくなる条件については充分に確認をしておきましょう。
希望条件の優先順位を明確にしよう
希望の条件すべてがかなう施設を見つけるのは難しいことです。特に譲れない条件や最も優先する条件、反対に妥協する点などを、家族で話し合っておくことがとても大切です。「サービス」「費用」「エリア」「特徴」という4つのポイントで “必須条件”と“希望条件”を洗い出しましょう。以下は条件や妥協ポイントになり易い条件一例です。
基本条件(必須条件)として優先されやすい条件
- 入居費用・月額費用
- 立地条件
- 医療・リハビリ体制
- 介護サービスの提供有無
こだわり条件(希望条件)として挙げられやすい条件
- 夫婦二人で入居
- ペットと入居
- 家族の自宅から30分圏内(家族訪問の利便性)
妥協点
- 都心から離れていても良い
- 終の住処でなくても良い
老人ホーム選びに迷ったら
資料・パンフレットで施設を比較する
どんな老人ホームがあるのかという情報を集めたら、その中で気になる老人ホームについて、具体的な情報が載っているパンフレットを取り寄せましょう。多くのパンフレットには以下の様な情報が記載されています。
- 施設の特長
- 運営方針
- 住所・交通アクセス
- 提供するサービス内容
- 館内の写真
- 居室数や面積
- 共有設備・居室設備
- 開設年月日
- 見学予約の際の連絡先
近年はホームページにも沢山の情報が掲載されていますが、入居者本人(高齢者)も内容を確認したい際は、パンフレット資料の方が判り易いかもしれません。写真を豊富に掲載しているパンフレットなら、事前に老人ホームの雰囲気を知ることができます。また、複数の老人ホームで迷ったときには、パンフレットがあると、決めた条件にあっているか、プラスアルファのメリットは何か、などが比較しやすいので便利です。
パンフレットを見る際の注意点
以下の2点に注意しておきましょう。
- パンフレットに掲載されている情報がすべてではない
- パンフレットはあくまでも「広告」である
パンフレットは入居希望者向けに作られているもののため「入居したい」と思ってもらえるように魅力的な情報を掲載しています。そのまま鵜呑みにしてしまうと入居後に「想像と違った」ということになりかねません。パンフレットに書かれていることは参考程度に考え、実際に足を運んでみたときに感じた印象を大切にしましょう。
見学・体験入居を利用してみる
施設によっては見学や体験が可能です。なるべく複数の施設の見学・体験入居をすると良いでしょう。可能な施設には入居前に必ず見学予約をして、入居者本人や家族の目で施設の雰囲気を確かめると良いでしょう。可能であれば複数日にわたって体験入居することをおすすめします。介護の充実度や食事の内容、レクリエーションの内容、施設スタッフや施設長の人柄なども見ることができるためです。入居者の男女比や年齢構成、要介護度がどれくらいの人が多いかなどもチェックしておきましょう。
おススメの見学時間帯
人が多い時間帯に見学するのがおススメです。時間帯は、昼食時やレクリエーションの時間などを行う時間帯です。なぜなら、見学時に入居者が少ないと、閑散とした印象からその施設を敬遠してしまいがちになるからです。また、外出している方の多い時間帯に訪問してしまうと、本来活気のある施設でも、実態と違うイメージを抱いてしまうことになります。⼈が多い時間帯に⾒学をすることで、普段の施設の雰囲気をつかむことができます。
まとめ
多くの場合は老人ホームへの入居を「終の棲家」と考える方が多いのではないでしょうか。先ずは入居年数の見通しを立て、入居から最期までをイメージすることが大切です。その中で、絶対に譲れない条件の洗い出し、費用を踏まえて老人ホームを探しましょう。
大事なことは、「良い施設」より「自分に合う施設」を選ぶことです。抱える事情や好みは入居者一人ひとり異なり、施設の特徴も同じように千差万別です。世間的に良いとされる老人ホームではなく、入居する本人や家族にとって最適なホームを選ぶために1つのポイントだけを重視した施設選びを行って失敗するよりも、「その施設は本当に希望と合っているのか?」ということを意識し、じっくりと施設選びを行いましょう。
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