葬儀の連絡(訃報)を知らせる~そのときの基本の考え方について

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葬儀の連絡(訃報)を知らせるタイミングや方法は、「相手の立場」によって異なります。

これを分けて考えることで、「Aというサイトにはこう書いてあったけれど、Bというサイトにはこう書いてあった……どっちが正しい?」などのような混乱を防ぐことができます。ここでは、葬儀の連絡(訃報)を知らせるタイミングと方法を立場別に解説するとともに、「それでは葬儀の連絡(訃報)では何を知らせればいいか」について解説していきます。

連絡のタイミングは、関係性によって異なる

葬儀の連絡(訃報)の連絡を行うタイミングとその方法を立場別に解説していきます。
※今回は以下のような状態を想定しています。

  • 病院で亡くなった
  • 一般葬(広く訃報を出して、参列者を受け入れる方式)である
  • 信じている宗教は仏教である

葬儀会社

医師によって死亡の診断が行われたら、すぐに葬儀会社に連絡します。病院の霊安室は長く使えませんから、葬儀会社に連絡してすぐにご遺体を安置場所にお連れしなければならないからです。連絡手段は電話を使います。葬儀会社は365日24時間対応していますから、深夜早朝でもまったく構いません。事前に、どこの葬儀会社に連絡をするかを考えておくとスムーズです。

家族

危篤状態(あるいはそれよりも少し前の段階)に至った場合、同居家族や、直系で極めて親しい親族には深夜早朝問わず連絡をします。最期の瞬間に立ち会えるかもしれないからです。それに間に合わずに亡くなってしまっても、すぐに会ってもらうことができます。

親族

対親族の場合は、故人との関わりの深さで連絡するタイミングが異なります。基本は死亡診断が出てからの連絡となりますが、故人との関係が近しかった相手の場合は深夜早朝を問わずに電話で連絡します。それほど近い関係ではないけれど葬儀には参列してもらうことになるであろう親族には、深夜早朝を避けた時間に電話で連絡をします。

寺院

葬儀を行う場合、ご僧侶様に来てもらうことになります。スケジュールの都合をすりあわせる必要があるのでできるだけ早めに連絡をしたいものですが、深夜早朝に連絡をしても、つながらないケースが多いかと思われます。そのためこれらの時間は避けて、早くても8時~で電話で連絡をします。事前に菩提寺を確認しておくとスムーズです。

友人

故人の友人には、基本的には葬儀の日程が決まってから連絡をします。ただし家族同然に付き合っていたのであれば、亡くなってからすぐに&弔問が受けられる状態(安置した状態)になってから連絡をしても構いません。電話で連絡をすると丁寧ですが、メールなどでの連絡でも現在は問題はないとされています。

なお、「故人ではなく、遺族の友人」に対する連絡は、葬儀の日程が決まってから行います。電話で連絡しても構いませんが、複数人に連絡をするのはなかなか大変なので、この場合はLINEやメールを使うと楽でしょう。また、文字にして送ることで、葬儀の日程や場所の「聞き落とし」を避けることができます。

勤務先・学校

故人が現役世代ならば総務部への連絡が基本です。まず自分の名前を名乗ったうえで、「そちらの社員である〇〇が亡くなった」ということを述べて、必要に応じて取次をお願いしましょう(※伝えるべき内容は後述します)。おそらく故人の所属先や上司の名前までは分かっていないことが多いかと思われるので、この場合は会社がひらいているであろう時間に、電話で連絡するのがスムーズでしょう。

自分が家族の立場であり、かつ忌引きのために家族側の勤務先や学校に連絡するのであれば連絡がつく時間に行います。電話で伝えるのがもっともスピーディです。「明日の朝一番に会議がある」などのような状態のときは、直属の上司に電話をします。それでもつながらないのであれば、メールで一報入れましょう。その際は、「葬儀の日時は後で追って連絡をします」とするかたちで構いません。忌引きの関係もありますから、できるだけ迅速に連絡をするようにしてください。

知人

「遠方に住んでいるため顔を合わせる機会はほとんどないが、年賀状でのやり取りは毎年ある」「葬儀に来ていただくほどではないが、知っておいてほしい人」に対しては、葬儀終了後に喪中はがきというかたちで葬儀があったことを知らせるようにするとよいでしょう。

またこの時代ですから、「SNSでゆるやかにつながっており、『いつ』とは具体的に決めていないが、旅行の話などを企画している」などの関係の人がいる場合は、使用しているSNSのメッセージ機能などで簡単に連絡するかたちをとると相手も状況が把握しやすくなります。

葬儀の連絡で伝えるべきこと

「立場から見る、葬儀の連絡(訃報)のタイミングと方法」について紹介したところで、ここからは「それでは葬儀の連絡(訃報)で伝えるべきことは何か」について解説していきましょう。

葬儀の連絡(訃報)で伝えるべきことは、以下の4点です。

  1. だれが亡くなったか
  2. いつ亡くなったか
  3. 自分と故人の関係
  4. 葬儀を行う日程と、その場所

1つずつ見ていきましょう。

だれが亡くなったか

葬儀の連絡(訃報)を伝えるうえで、もっとも重要なことがこれです。故人の名前を告げるようにしてください。なおこれは、下記で記す「自分と故人の関係」と結び付けて話すとよいでしょう。そうすることで、「故人のことは知っているが、家族のことは知らない」「家族のことは知っているが、故人のことは知らない」という人にも理解してもらいやすくなります。

いつ亡くなったか

〇月×日に亡くなった、ということを伝えましょう。時間に関しては正確に伝える必要はありません。「〇月×日の12時ごろ」「〇月×日の午前中に」などのように伝えるだけで十分です。

自分と故人の関係

「父の〇〇が亡くなりまして」「〇〇の娘の××ですが、父が亡くなりまして」などのように伝えましょう。なお、葬儀に参列してほしい場合は、連絡先となりうる喪主の名前や電話番号も伝えておくとスムーズです。

葬儀を行う日程と、その場所

一般葬で故人を見送る場合は、葬儀を行う日とその時間、場所、どんな方式(仏教・浄土真宗 など)で行うかを相手に伝えるようにします。

なお家族葬ご家族が声を掛けた人だけに参列してもらう形式)の場合は、この「日時と場所」は参列をしてもらいたい人にだけ伝えるようにします。これについては少し分かりにくいので、下記のケースのいずれに当てはまるかで伝え方を変えてみてください。

  1. 故人の職場……本人の職場なので、亡くなったことと亡くなった日を伝えます。葬儀の日程も場所も伝えません。「内内で見送りますので」と伝えれば問題ありません。
  2. 家族の職場……家族葬なので参列は遠慮してほしいけれど、忌引きの関係で日時は伝えなければならない……というケースです。この場合は、「〇月×日に葬儀を行います。内内で見送りますので」として、葬儀の場所のみ伝えないようにします。
  3. 参列してほしい人……家族葬で行うけれど、参列してほしい旨を伝えます。この場合は、「〇月×日▽時から、◇◇会場で行います」と伝えます。

葬儀の連絡(訃報)は、伝える方も受ける方も緊張するものです。しかしいつかは確実に来る「その日」のために、今から「どのように伝えたらいいのか」を把握しておきたいものですね。

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