「子連れでの結婚式」は、1人での結婚式(あるいは夫婦での結婚式)とは異なり、また違う気遣いやマナーが求められるものです。ここでは「子連れの結婚式」に焦点を当てて、「押さえておきたいマナー」「ご祝儀の金額」「気を付けるべき点」について解説していきます。
※「参列者として、子連れで結婚式に参加する場合」を取り上げます。新郎新婦が子連れで結婚式をするケースについては触れていません。
結婚式に子どもを連れていく~まずは押さえておきたいマナーについて
まず前提として、「主催者からの直接的な打診がない場合は、子連れでの結婚式の参列はNG」であると考えておきましょう。子連れで参加しても構わないのは、
- 古くから家族ぐるみで付き合っている友人であり、向こうから『ぜひお子さんを連れて結婚式に来て』と言われた
- 新婦が非常に子ども好きで、親戚の子どもたちでの余興を頼まれた
- 『フラワーガール・リングボーイをお願いしたい』と言われた
- かつて、自分の結婚式のときには彼女の子どもを連れてきてもらっており、向こうの再婚時の結婚式のときにも同じように打診された
などのようなケースです。また、主役である新郎新婦側から、「子連れで来てほしい」「子連れOKの結婚式です」「〇〇家ご家族様/山田太郎様(父親)・山田花子様(母親)・山田夏美ちゃん(子ども) などの招待名で招待状が着た」などのような場合は、子連れで結婚式に参列してもよいでしょう。無断で子どもを連れていくことは、絶対にしてはいけません。
なお、基本的には「子どもを連れて行ってもいいか?」とゲスト側から打診することも避けるべきでしょう。なぜなら新郎新婦の心情的に、ゲストから「子連れで参加してもいい?」と聞かれて、「嫌、遠慮してほしい」と言える人は決して多くはないからです。打診をした段階で、相手に「嫌なのに嫌と言えない負担」「嫌だ、とどう伝えたらいいのかを悩ませる負担」を与えてしまうということを理解しておきましょう。
子連れでの結婚式の場合のマナー、服装編
「相手から『お子さんもぜひに』と言われた」という場合の、参列時の服装のマナーについて解説していきます。男性は、子連れでも子連れでなくても、ブラックスーツに明るい色合いのネクタイを着用するかたちで問題ありません。女性の場合は、パンツスーツやミディアム丈のスカートが動きやすいでしょう。お子さんが思いがけない行動をとったときに、すぐに制止できるような格好にしておくのが望ましいといえます。また、結婚式の定番であるショールですが、ショールをお子さんの面倒を見ながらきれいにまとい続けるのはなかなか難しいものです。そのため、袖ありのドレスやジャケットにしておくと、気を使わなくてもすみます。色は、明るいものを選びます。またフリルやレースを使った華やかなものを選ぶと、結婚式というハレの舞台を彩ることができます。ヒールは高すぎるものを避け、動きやすいものを選びましょう。白をメインにしたドレスや、派手すぎる着物を避けるのは、子連れではないときと同じです。
男性の結婚式の服装についてはこちら。
お子さんの服装は、お子さんの年齢によって異なります。
【乳幼児】
ワンピースや着物のようになったロンパースが使いやすいでしょう。パステルカラーやフリルのあるものなどが好まれます。なお「第一子で、子連れで参列するパパママも子育てに慣れていない」という場合は、念のため、着替え用の服を一着持っていく方が安心です。パパママ自身が子育てに慣れていないため、おむつが上手くつけられていなかったり、ミルクの処理が上手くできていなかったりして、おむつ漏れやミルクの吐き戻しで洋服を汚してしまう可能性も高いからです。
【入学前】
入学前のお子さんの場合は、フォーマルタイプの服装にするか、華やかな服装にするかで判断が分かれます。前者の場合は、紺色や黒色、灰色をメインにしたジャケットにシャツとネクタイを合わせたり、控えめな色のワンピースを合わせたりするのがおすすめです。後者の場合は、華やかで明るい色のドレスを選んだり、タキシード風のジャケットを合わせたりするとよいでしょう。なお、大人の場合はNGとされる半ズボンも、子どもの場合はOKとされます。フラワーガールやリングガールをお願いされている場合は、新郎新婦の希望を聞いてみるとよいでしょう。
【入学後】
制服がある学校に進んだ場合は、制服を着せていくのがもっとも無難です。制服は子どもにとって第一の礼装であるため、結婚式でも葬儀でも、いつでももっとも格式高い格好として扱われます。制服を着る場合は、着崩さず、きちんと着用しましょう。制服がない場合は、制服に似たかたち(ベストとジャケットなど)を着せたり、ワンピースを選んだりするとよいでしょう。「入学式のときに着せていく服装」をイメージすると分かりやすいかもしれません。靴や靴下は、スニーカーやサンダルは避けて、エナメル素材の黒色のものを選ぶのがもっとも無難です。動いても靴がすっぽぬけないようにするために、ストラップつきのものを選ぶと安心です。
なお、「子どもなら白色のドレスでもあまり問題にならない」と見る向きもありますが、「フラワーガールを務める。新郎新婦側から、白いドレスでと指定された」という場合以外は避けた方が賢明です。白はやはり花嫁さんの色だからです。
リングガールの服装のついてのマナーはこちらの記事でご案内しています。
子連れで結婚式に参列する場合のご祝儀は、子どもの年齢によって分かれる
結婚式のときに持っていくご祝儀は、お子さんの年齢によって異なります。
年齢 | ご祝儀の上乗せ金額 |
0歳~2歳 | ミルク~離乳食なので基本的に上乗せ不要 |
2歳~入学前 | 5000円~10000円を上乗せする |
6歳~10歳まで | ハーフコース/ミニコース になることが多いので、10000円~15000円上乗せする |
それ以上 | 10000円~20000円上乗せする |
なお、迷った場合は多めに包むようにします。「ご祝儀を多く貰ったこと」に文句を言う人はいないからです。
子どもを連れての結婚式、気をつけておくべきこととは
最後に、子連れで結婚式に参列する場合に気をつけるべき点について解説します。
- 主役は新郎新婦
小さなお子さんを連れていくと、周りから「かわいいかわいい」と言われる機会が多いものです。ただ、あくまで主役は新郎新婦です。周りからの言葉はありがたく受け止めるべきですが、「自分の連れてきた子どもが主役」という状態にならないようにしましょう。 - 騒いだ場合はすぐに連れ出す
特に教会での式などの場合は、これを守らなければなりません。子どもと一緒に過ごしていると「これくらいの泣き声なら問題がないだろう」と思ってしまいがちですが、お子さんがいないご家庭(特に新郎新婦)にとっては気になることも多いものです。泣きだしたらすぐに連れ出せるようにするために、動きやすい席を撮っておきましょう。 - 事前に周囲にご挨拶を
結婚式では、「新婦友人」などのようなかたちで席を作られることが多いかと思われます。そのような場合は、同じ席の人に、「ご迷惑をおかけしたら申し訳ございません」「子どもをあやすために席をお立ちすることもあるかと思います」と一声掛けておくとよいでしょう。 - おもちゃは用意しておく、食事も保護者が用意しておくと安心
おもちゃや食事は、新郎新婦ではなく、保護者が用意しておくものと考えておきましょう。新郎新婦側から「食事を用意する」と言われている場合であっても、場の緊張感もあり、お子さんがそれに手をつけられない可能性もあります。また、場をもたすためのおもちゃを持っていくことは重要ですが、その際には、音の出ないものを選びましょう。
「子連れでの結婚式」の主役は、「子ども」ではありません。新郎新婦が主役なのだということを忘れず、主役の気持ちを一番に考えて動く必要があります。
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