亡き人を悼み、残された人たちで大切な思い出を共有する一周忌は、非常に重要なものです。ここではこの一周忌で用いられる花を取り上げて、「一周忌の花の種類や送り方、花の種類」について解説していきます。※ここでは主に仏教について取り上げていますが、神道やキリスト教、無宗教であっても広く適応する話です。
大きな供花を贈る場合は、まずは会場やご家族に確認を
まず、「一周忌の花の種類」について紹介します。
一周忌の花には、大きく分けて3つの種類があります。
- お墓にお供えする花
- 仏壇にお供えする花
- 一周忌の会場に飾る供花
それぞれ扱いが異なるので、ひとつずつ見ていきましょう。
お墓にお供えする花
一周忌は多くの場合、「墓参り」とセットになります。法要・法事を行った後にお墓に行き、そこで手を合わせることになるわけです。四十九日法要のときに納骨をしなかった場合は、このタイミングで納骨をすることもあるでしょう。このとき、お墓には必ず花が供えられます。お墓にお供えする花は、基本的には喪家が準備します。そのため、喪家から特に「お墓用の花を持ってきてほしい」と言われない限りは、参列者は持参しなくてよいでしょう。もっとも、「自分の気持ちとして、お墓にお供えする花を持っていきたい」ということであれば、喪家側にその気持ちを伝え、持参することは問題ありません。
仏壇にお供えする花
仏壇にお供えする花も、基本的には喪家が用意することになります。ただ仏壇用の花入れは意外と量が入るため、花束のかたちで花を持参しても問題はないでしょう。仏壇が置かれているのは多くの場合「自宅」であるため、もし花入れがいっぱいであっても、一般的な花瓶に入れて飾ってもらうことも容易です。仏壇にお供えする花は、お墓にお供えする花同様、花束のかたちで持っていきます。なお仏壇にお供えすることを前提とした花である場合、基本的には喪家に「持って行ってもいいか」と確認する必要はありません。ただ、判断に迷うのであれば、確認しておくとトラブルを防げます。
一周忌の会場に飾る供花
「一周忌法要を、自宅以外のところ(葬儀ホールなど)で行う」という場合、会場に「供花」というかたちで花を寄せることができます。このときに用いられる供花は、足や台がついたやや大がかりなものが多く、送り主の名前を書いた札などを立てられるようになっているものもあります。このような供花を送りたい場合は、事前の確認がほぼ必須です。一周忌法要の場合、通夜・葬儀に比べて会場が狭く、そもそも供花を飾る十分なスペースを取れないことが多いからです。また、喪家のスタンスとして、「供花は受け取らない」としていることもあります。なお喪家から「供花を寄せていただいて問題ない」と言われた場合は、一周忌法要を行う会場にも一度確認してください。見た目の統一感を持たせたり、置く位置を精査する都合上、「供花の注文は会場・葬儀会社を通して一括で行う」としているところも多いからです。
花を贈るときのタイミングとマナー
ここからは、一周忌の花を送るタイミングやマナーについて解説していきます。
一周忌法要の前日に届くように
お墓用の花や仏壇用の花の場合、当日に花束のかたちで持っていくやり方で問題ありません。一周忌法要の開始時間によっては、前日に買い求めておき、家で保管して、翌日持っていくというかたちになるでしょう。また、会場の近くで朝に買い求めるのもひとつの方法です。「一周忌法要の会場に送る」という場合は、前日までに届くように手配してください。一周忌の場合、通夜や葬儀とは異なり、「行う日がはっきりと指定されているもの」であるため、ご家族から許可が出た時点で手配をしておくと安心です。
送り先は基本的に会場
送り先は、基本的には「一周忌法要が行われる会場」です。葬儀ホールなどで行う場合はそこに、自宅で行う場合は自宅とします。なお、上でも述べたように、会場に送る場合は、たとえ喪家が「供花を受け付けている」と答えた場合であっても、会場にも話をしておくことをおすすめします。宛先は、「会場名+喪家(喪主)名」とします。
手紙を添える
「一周忌法要に誘われたが、入院中でどうしても参列できない。代わりに花を送りたい」という場合は、手紙を添えるようにします。故人との思い出に触れつつ、ご家族の心によりそう文章を綴るとよいでしょう。「一周忌法要には参列するし、花も持っていく」という場合は、基本的には手紙は必要としません。ただ、「故人にあてた手紙」などを用意すれば、故人とご家族のお心が慰められるかもしれません。
一周忌に選ばれる花の種類は? NGの花は?
ここからは、一周忌によく選ばれる花の種類について紹介していきます。
花の色は、淡い色合いのものが好まれる
一周忌にお供えする花は、淡い色合いのものが好まれます。白色が基本ですが、薄い色であるのならば、ピンクや黄色、緑、青色などのものを選んでもよいでしょう。なお、「紫」は喪の色であるため、これを中心とした花を選ぶ人もいます。また、黄色の花も昔から広く選ばれています。
花の種類はトルコキキョウ、ユリ、キクなどがよく選ばれる
花の種類についても見ていきましょう。一周忌では、トルコキキョウやユリ、キクなどがよく選ばれています。ユリはキリスト教の花として非常に有名で、キリスト教向けの不祝儀袋にも印刷されていることがある花です。キクは昔から仏教の花・仏花としてよく知られているもので、弔事の花の代表例です。可憐さと慎み深さを持つトルコキキョウは、「良き語らい」「感謝」などの意味を持つ花であり、その柔らかな美しさからさまざまなシーンで活躍します。なお「キリスト教の花」「仏教の花」としましたが、これは、「特にこの宗教でよく好まれる」ということであり、「ほかの宗教で使ってはいけない」ということではありません。ユリをキリスト教以外の一周忌で使っても構いませんし、キクもまた神道やキリスト教(やほかの宗教)の一周忌のお花として選んでも構わないものです。
棘(トゲ)のある花や花粉のある花は避けるのが原則
一周忌では、棘のある花や、花粉のある花は避けるのが原則です。これは通夜・葬儀のときと同じです。また、明るすぎる色や派手すぎる色(真っ赤なものや、色鮮やかなビタミンカラーのものなど)は避けた方がよいでしょう。特に、一般参列者の立場として花を持っていくのであれば、このあたりは意識しておきたいものです。ただし、「故人が特に赤い花を愛していた」「バラのシーズンはバラ園に毎週足を運ぶほどにバラが好きだった」などの場合で、かつ自分が故人と近い関係性(喪主は姉だが、自分もまた故人の子どもである、など)の場合は、このような花を選んでも構わないとされています。「一周忌に使う花です」といえば、花屋の方で棘や花粉を処理してくれることもあります。
まとめ
はるか昔から、私たち人間は、お墓などに花を手向けてきました。「一周忌に花を」「亡き人のために花を手向けたい」「残されたご家族の心を慰めるために花を持っていきたい」と考える心は尊ばれるべきものですし、また自然なものでもあります。ただ、送り方を間違えてしまったり、確認をせずに送ったりしてしまうと、受け取る側が困ってしまうこともありますから、その点には注意したいものです。
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