三十五日法要?四十九日法要? 故人との向き合い方について考える

三十五日法要?四十九日法要? 故人との向き合い方について考える

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故人を見送った後に行うことになる「法要」は、故人の追善供養のために行われるものであると同時に、残された家族が気持ちに整理をつけるために行われるものでもあります。
今回はそのなかから「三十五日法要」について取り上げ、その日程の考え方や、三十五日法要が行われるケース、忌明けの法要全般について解説していきます。

※キリスト教や神道にも、「亡くなった後に行う宗教的儀式」はあります。ただし三十五日法要は仏教独自のものであり、また「追善供養」の考え方も仏教の考えにのっとったものです。そのため下記では、特筆すべき場合を除き、仏教の宗教的儀式のことのみを取り上げます。

法要はいつ行う?日程の考え方

仏教では、「亡くなった方がより良き場所に行けるように」という考え方の元、追善供養が行われてきました。追善供養とは、残された家族が故人に代って徳を積み、故人が安寧の地にたどり着けることを祈るものです。

さてこの「仏教における追善供養」は、7日ごとに法要を行うのが正式なやり方です。そのためかつては、

  • 初七日法要(7日目)
  • 二七日法要(14日目、ふたなのか)
  • 三七日法要(21日目、みなのか)
  • 四七日法要(28日目、よなのか)
  • 五七日法要(35日目、ごなのか)
  • 六七日法要(42日目、むなのか)
  • 七七法要(49日目、なななぬか)

……と執り行われてきました。
※読み方については諸説あります。

しかし現在は、初七日法要と四十九日法要(49日法要、以下漢字表記に統一)以外は省略されるのが一般的です。また、初七日法要は繰り上げて火葬当日に行うやり方がとられています。加えて精進おとしも火葬当日に行われることが多く、49日目を待ちません。また、四十九日法要も「49日より前の土日(=49日ぴったりに行われるわけではない)」に行われることが多いといえます。

一般的には四十九日法要をもって「忌明け」とします。なお現在は法要を行うタイミングは、「故人が亡くなった日から起算して、ぴったり7日目」などの日に設定することは非常に少ないといえます。多くの人が参列できるように、「該当日の前の週の土日」に設定することが一般的です。ただし法事は、前倒しにすることがあっても後ろ倒しにすることは望ましくないとされています。そのため5月17日の金曜日が四十九日法要(等)にあたる場合は、翌日・翌々日の18日の土曜日や19日の日曜日にすることは避けて、11日の土曜日もしくは12日の日曜日に設定します。

【四十九日】四十九日法要の準備や当日の流れ、費用例について解説!

三十五日法要を行う3つのパターン

上でも述べたように、三十五日法要(35日法要、以下漢字表記に統一)は、現在ではほとんどすべてのケースで省略されます。亡くなった後の法要は、初七日法要と四十九日法要に限られることが多いため、三十五日法要のことはまったく知らなかったという人もいるでしょう。

ただ、省略されることが多い三十五日法要でも、下記の3つのパターンのときには行われることがあります。

非常に信心深く、1週間毎に法要を行いたいという希望を持っている

現在でも宗教への帰属意識が非常に強く、「1週間ごとにきちんと法要を行いたい」と考えるご家庭の場合は、三十五日法要も省略することなく営むことがあります。この場合、三十五日法要は、「閻魔大王から行き先を告げられる日」と解釈され、非常に丁寧に扱われることが多いといえます。

なお、1週間ごとにきちんと法要を行う場合でも、二七日~六七日の法要を、葬儀同様に多くの親戚を招いて行おうとすることはそれほど現実的ではありません。そのため、「初七日法要(繰り上げ初七日法要)は親族全員で行い、二七日~六七日法要は同居家族または近距離の親族のみで行い、四十九日法要は親族全員で行う、というかたちがとられることが一般的です。

地域やお寺の考え方による

葬儀や弔いのかたちは、地域差やお寺、宗派によって多少の違いがあります。このため、その地域が伝統的に三十五日法要を行う地域であったり、菩提寺や宗派が三十五日法要を大切にしたりしている場合は、三十五日法要を執り行うことがあります。
またまれなケースではありますが、「四十九日法要の期間がお盆と重なっていて、菩提寺の予定がいっぱいである。親族の予定もあり、どうしてもこの期間のスケジュールが合わせられない」という場合は、三十五日法要を視野に入れて話し合ってみるとよいかもしれません・

命日~四十九日法要を行うまでの期間が、3か月にまたがる場合

仏事では、「三月またぎ(みつきまたぎ)」という考え方を嫌います。これは、亡くなってから四十九日法要までの期間が3か月に渡ると縁起が悪い、というものです。

例を出して考えてみましょう。
たとえば、8月26日に人が亡くなったとします。この場合、初七日は(計算上は)9月1日になります。さらに、四十九日は10月31日となります。つまり、葬儀から四十九日法要までに、8月・9月・10月の3か月をまたぐことになるわけです。

このような場合は、四十九日法要を行う前に、9月29日もしくは9月28日に「三十五日法要」として法要を営み、このタイミングで忌明けとすることがあります。

三十五日法要をする・しない、三十五日法要にするか四十九日法要にするかは、どっちが良い・悪いといえるものではありません。宗教への帰属意識も人それぞれですし、地域差もあります。ただご家族の間で考え方に違いがあった場合は、しっかり話し合って決めるとよいでしょう。

忌明けの法要について

最後に、忌明け後の法要について、その日時の計算方法と意味について簡単に触れていきます。

百箇日法要

故人が旅立ってから100日後、3か月を少し過ぎたくらいに行われる法要です。
ただしこれも現在では省略されることが多いものです。

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一周忌法要と初盆

故人が旅立ってから1年目に行われる法要です。一周忌法要では、四十九日法要同様、多くの人が参列することになります。
また一周忌法要と前後して、「初盆(故人が旅立ってから初めて行われるお盆)」が行われることもあります。ただし初盆は「故人が亡くなって、四十九日法要が終わった後に訪れる最初のお盆」を指します。そのため、2024年の8月1日に亡くなった場合は、初盆は2024年の8月中旬ではなく、2025年に行われることになります。

三回忌法要/七回忌法要

故人が亡くなってから、2年目と6年目のタイミングで行われる法要です。一周忌法要よりも少ないものの、比較的多くの人が参列する法要です。三回忌法要や七回忌法要で弔い上げとすることはほぼありませんが、故人やご家族が「葬儀関係はとにかく小さく行いたい」と希望していた場合は、七回忌で弔い上げにすることもあります。

十三回忌/三十三回忌/五十回忌

故人が亡くなってから12年目、32年目、49年目に行われる法要です。現在は十三回忌もしくは三十三回忌で弔い上げとするご家庭が多く見られます。ただ、宗教への帰属意識が高いご家庭などの場合は、五十回忌で弔い上げとすることもあります。

 

法要のかたちに、明確な「正解」はありません。それだけに迷うところも多いものですが、ご家族同士でしっかり話し合って、「自分たちにとっての最適解」を見つけていくとよいでしょう。

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