終活を進めるときに作るべきものとして、「エンディングノート」があります。エンディングノートを作ることで、自分自身の状況を整理できますし、残していく人の手間を省けます。
ここでは、「エンディングノートに盛り込むべき要素」「エンディングノートの入手方法」について解説していきます。
エンディングノートに盛り込む要素
エンディングノートは、「終活ノート」「生前整理ノート」「遺言ノート」「週末ノート」とも呼ばれます(ここでは、以下では「エンディングノート」の表記に統一します)。
自分の状況を整理して、残された人が戸惑わないために作るものであり、終活において非常に重要な意味を持ちます。
「エンディングノートには、絶対にこれを書かなければならない」という決まりはありません。ただ一般的には、下記のようなことを書き記します。
- 自分の情報
- 利用しているサービスやそのIDおよびパスワード
- 終末医療の希望
- お墓や葬儀の希望
- 財産目録と、相続の希望
- 死亡時の連絡先
- 残していく人へのメッセージ
ひとつずつ見ていきましょう。
自分の情報
自分の出身地や本籍地や住所、生年月日などを正確に記します。
なお2024年3月以降は、全国どこでも戸籍謄本などを取り寄せられるようになったため、格段に書類手続きが楽になりました。
利用しているサービスやそのIDおよびパスワード
現在利用しているサービスの種類や、そのIDやパスワードなどを1ページにまとめておきましょう。特にサブスクや、オンラインでのサービスは、契約者が亡くなると「そもそも加入していたことをご家族が把握しきれないもの」になってしまいがちです。
終末医療の希望
延命治療を希望するのか、緩和治療はどうするのか、介護施設への入居についてはどう考えているかをまとめましょう。
また、希望の施設があればその旨も書き記しておきましょう。
お墓や葬儀の希望
お墓や葬儀の希望についても書いておきます。小さな葬儀にしたいのか一般葬にしたいのか、埋葬方法はどのようなものがいいのかを書いておきます。
「自分の宗派と菩提寺」「先祖代々の墓があるのならばその場所」「すでに契約しているお墓や葬儀会社がある場合は、その名前と連絡先」をしっかり記載します。
財産目録と、相続の希望
自分の持っている財産の目録と、それをだれに受け継がせたいのかを書きます。権利証のありかも書いておきます。ネットバンキングを利用している場合はその旨を忘れずに書きましょう。
また、「この宝石は〇〇さんに」など、相続の希望も書いておきます。
ただしエンディングノートは、「遺言書」ではありません。エンディングノートには法的な拘束力はないので、たとえ相続してほしい人を指定していたとしても、法定相続人がNOといえば引き継がせることはできません。そのため、「絶対にこの人に渡したい」という希望があれば、きちんと遺言書にすることが大切です。
死亡時の連絡先
死亡時に連絡してほしい人の名前と電話番号、それから忘れがちではありますが非常に大切な「続柄」もまとめておきます。
「スマホがあれば分かるだろう」と思う人もいるかもしれませんが、スマホの連絡先に続柄まで入れて登録している人は少ないでしょうし、発着信履歴から辿ろうとしても「相手がどんな人か」が分からなければ連絡をつけにくいものです。
残していく人へのメッセージ
ある意味でもっとも重要なのは、「残していく人へのメッセージ」です。ほかのことは、(非常に大変ではありますが)調べれば分かるものですが、メッセージだけはエンディングノートを記す本人だけにしか書けません。
周りの人への感謝や思いを書き綴っておきましょう。
エンディングノートはどこで手に入る?
エンディングノートに書くべきことを紹介したところで、ここからは「ではエンディングノートはどうやったら手に入るのか」について解説していきます。
エンディングノートの主な入手方法は以下の通りです。
- 文房具屋や100円ショップで手に入る
- 市役所が配っていることも
- 終活イベントに行くと、高い確率でもらえる
- 自分で手作りをするのもひとつの方法
- 【番外編】デジタルエンディングノートを考える
一つずつ確認していきましょう。
文房具屋や100円ショップで手に入る
「エンディングノート」「終活」という言葉が広まったことで、現在は文房具屋や100円ショップでもエンディングノートが買えるようになりました。
複数種類のなかから自分好みのデザインを選べるのが魅力です。また内容的にも落としがないので、使いやすいのも魅力です。ただ、それほど高くはないものの、お金がかかるのがデメリットです。
市役所が配っていることも
住民サービスとして、市役所などでエンディングノートを配っている自治体もあります。手軽にもらえるうえにお金がかからないのが魅力です。
ただしすべての自治体が配っているわけではないため、自分の住まいのある自治体は配布をしていない可能性もあります。
終活イベントに行くと、高い確率でもらえる
葬儀会社などが行っている終活イベントに参加すると、高い確率でエンディングノートをもらうことができます。終活の説明を受けた直後にもらえるため、「今すぐ書こう」という気持ちになれるのが大きなメリットです。また、終活イベントでエンディングノートの書き方を指南してもらえる場合もあります。
ただ終活イベントはかなりの時間がかかります。そのため、エンディングノートをもらうためだけの目的で行くのは、効率的とはいえません。
自分で手作りをするのもひとつの方法
すでに述べたように、エンディングノートには法的拘束力はありません。そのため、「気に入ったノートをエンディングノートとする」「自分好みにカスタマイズしたエンディングノートを使う」ということもできます。自分で作ったエンディングノートならば、愛着もひとしおでしょう。
自分でエンディングノートを手作りする場合は、インターネット上で公開されているエンディングノートのサンプルなどを横に置いて作っていった方がよいでしょう。そうしなければ、書くべき事柄が抜け落ちてしまう危険性が高まります。
【番外編】デジタルエンディングノートを考える
最後に、「デジタルエンディングノート」についても触れていきましょう。紙媒体ではなく、スマホなどで「エンディングノートに書くべき項目」を残していく方法です。
この方法は非常に便利で手軽です。現在は、紙媒体よりもこちらの方が慣れているという人もいるでしょう。またこのやり方は、特に財産目録を作るときに有用です。
ただ、デジタルエンディングノートにはほかのエンディングノートにはないデメリットがあります。それが、「可視化されにくい」「スマホにロックがかかっていて、エンディングノートを呼び出すのに手間がかかる」という問題です。業者に頼めば突破できる可能性もありますが、「葬儀の希望を確認したかったのに、ロックがかかっている!」ということになれば大変です。
そのため、基本的にはデジタルエンディングノートで完結するやり方は推奨されません。デジタルエンディングノートを中心とするのであれば、スマホのロック解除のパスワードを書いた紙などをきちんと残しておくようにします。
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