墓じまいはいつ行う?そのタイミングと方法

墓じまいはいつ行う?そのタイミングと方法

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少子高齢化に伴い、「墓じまい」を考える人も増えてきました。
ここでは、「それでは墓じまいはいつ行うべきか」「墓じまいの手順」「そのタイミングと方法」について解説していきます。

墓じまいを考えるタイミングは、いくつかある

墓じまいは、「このタイミングで行わなければならない」と決まっているものではありません。ただ墓じまいは、取り壊しのためや新しい埋葬方法にかける費用を算段したり、親戚に話をする時間を確保したりしなければならないものですから、下記のような状況に当てはまるようであれば、墓じまいをある程度積極的に考えていくべきでしょう。

  • 地元を離れて、もう戻る予定がない
  • 継承者がいない、もしくは子どもに墓守をさせたくない
  • 親戚と没交渉になった
  • 信じる宗教が、両親とは異なる

一つずつ解説していきます。

地元を離れて、もう戻る予定がない

「沖縄出身であり、沖縄に墓があるが、自分は東京に出てきて就職した。東京でマンションも買い、沖縄に戻る予定がない。また兄弟姉妹も、沖縄に住んでいない」などのように、生活の拠点が生まれ故郷以外に移った場合は、墓じまいを考えるべきです。
地元を離れてお墓を放置するとなると、お墓は荒れてしまいます。荒れたお墓は、お墓自体が悲しいものとなるだけではなく、隣の墓所などにも迷惑をかけてしまうものだといえます。

継承者がいない、もしくは子どもに墓守をさせたくない

「子どもがいない」「子どもに墓守をさせたくない、子どもに負担をかけたくない」という人も、墓じまいを考えるべきでしょう。上で挙げた「地元を離れて、もう戻る予定がない」は「継承する立場(子ども)側」の考えに基づくものですが、こちらは「継承させていく立場(親)側」の意向に基づくものだといえます。
子どもが遠方に引っ越したからという理由だけではなく、子どもが近場に住んでいてもお寺との付き合いや墓所の手入れの面倒をかけたくないということで、墓じまいを考える人は多くいます。

親戚と没交渉になった

お墓は多くの場合、「先祖代々のもの」「親族が手を合わせる場所」という性質を持つものです。ただ親族との関係が希薄であり、だれもお墓参りに来ない状態で、かつ自分たちもそれほど信心深い方ではない(あるいは生活の拠点が別にある)というケースもあるでしょう。そのような場合は、先祖代々のお墓の墓じまいを行い、別のところでご遺骨を埋葬するというのもひとつの選択肢となります。

なお一般的には墓じまいにおいては親戚・親族との話し合いを行うべきとされますが、このケースの場合は、親戚・親族との話し合いの必要性が薄くなります。そのため、墓じまいもスピーディーに進めることができます。

信じる宗教が、両親とは異なる

親や先祖と、継承するべき人(子ども)の信じる宗教が異なる場合も、墓じまいが視野に入ってくるでしょう。
特に、「先祖代々のお墓がお寺にあり、子どもが信じている宗教がキリスト教であり、かつ子どもがキリスト教の熱心な信者である」などのケースでは、この傾向が顕著です。
逆に、親・先祖と子どもの信仰する宗教が違っていても、

  • 先祖代々のお墓が、公営墓地にある(公営墓地は宗教的な色を帯びない)
  • 親が信じていたのが浄土真宗で、子どもは曹洞宗を信じている(宗派は違うが、同じ在来仏教の信徒である)
  • 先祖代々のお墓は寺院にあり、子どもはキリスト教の信者ではあるが、宗教への帰属意識はそれほど高くはない

という場合は、墓じまいをせずにそのまま寺院墓地に埋葬し続ける選択肢を選ぶ人もいます。

墓じまいの手順

ここからは、墓じまいの手順について解説していきます。
墓地A…現在、お墓がある墓地
墓地B…今後、新しく埋葬しようと思っている墓地
とします。

  1. Aが所属している自治体の役所で、「改葬許可申請書」を取得する
  2. Aから、「埋葬証明書」を取得する
  3. Bから、「受入証明書」を習得する
  4. 1と2と3を、Aが所属している自治体の役所に提出して、「改装許可証」を取得する
  5. 墓石業者に連絡をして、墓石の取り壊しを行う
  6. 改葬を行う

なお、1の前段階として、親族と話し合いをしておくと安心です。
また、5の段階で閉眼供養(お墓から魂を抜く法事)および6の段階で開眼供養(お墓に魂を入れる法事)を行うべきとしているところもありますが、これは必須のものではありません。閉眼供養も開眼供養も、行わなくても改葬は可能です。
なお「受入証明書」は、「新しい墓地に埋葬するために必要な書類」であるため、海洋葬などのときには必要ありません(下記で詳しく取り上げます)。

【墓じまい】意味・流れ・手続き・費用・代行について解説!

墓じまい後の選択肢について

最後に、「墓じまいをした後のご遺骨はどうすればいいのか」について解説していきます。
なお、墓じまい後の選択肢としてしばしば「手元供養」が提案されますが、手元供養を行った場合でも最終的にはなんらかのかたちでご遺骨を埋葬などしなければならなくなるため、ここでは手元供養については取り上げません。

墓じまい後の選択肢として、以下のものが挙げられます。

  • 新しくお墓を買う
  • 合葬墓に入れる
  • 個別の永代供養を行う
  • 樹木葬にする
  • 海洋葬を選択する

一つずつ解説していきます。

新しくお墓を買う

「地元から離れた場所に生活拠点を持っていて、地元にはなかなか帰れないが、近くで今までと同じように供養していきたい」と考える人には、近場で新しくお墓を買う方法をおすすめします。「先祖代々のお墓」を、近場に新しく建てる方法だと考えれば理解しやすいでしょう。
なお、「地元のお墓が寺院墓地にあって、引っ越した現在もその宗派で弔いを続けたい」という場合は、墓じまいの前に地元の菩提寺に相談しておくとよいでしょう。引っ越した先で、同じ宗派のほかのお寺を紹介してもらえるケースもあるからです。

合葬墓に入れる

合葬墓とは、「ご遺骨を骨壺から取り出し、ほかの方のご遺骨と一緒に埋葬する方法」をいいます。合葬墓のお手入れは墓地の運営者が行うため、墓守をする必要はありません。
「お墓にお金をかけたくない」「一人っ子であり、かつ自分にも子どもがおらず、将来的にお墓を継ぐ人もいないが、親戚が手を合わせられる場所は残しておきたい」と考える人におすすめの選択肢です。

個別の永代供養を行う

個別の納骨堂や永代供養墓などに埋葬するのも一つの方法です。
この選択肢と、上で挙げた合葬墓と異なるのは、合葬墓は「埋葬を行う最初の段階で、すぐにほかの方とご遺骨が一緒になる」というやり方を取るのに対して、個別の永代供養墓は数年個別埋葬された後に合葬墓に入れられるという点です。そのため、「しばらくは家族水入らずで過ごして、墓守をする人がまったくいなくなってから合葬墓に入りたい」と考えている人にはこの方法がよいでしょう。
なおなかには、非常に少数ながら、「永遠に合葬されない。墓のお世話は、運営団体が務めていく」というスタイルをとるところもあります。

樹木葬にする

木や花の下に眠る埋葬方法である「樹木葬」は、近年特に注目を浴びているものです。
四季折々の美しい風景を見ながら眠れるこの方法は、お墓を建てるよりも安く済むということもあり、非常に人気を博しています。
なお樹木葬でも、合葬・個別埋葬を選ぶことができます。ちなみに樹木葬はその性質上、すべて永代供養の性質を持ちます(墓守の必要は原則ありません)。

海洋葬を選択する

海洋葬は、その名前の通り、海にご遺骨を撒く方法です。パウダー状に砕いたご遺骨を持って船で海に出て、そこでご遺骨を撒きます。
海に撒くという方法であるため、お墓の手入れや後継者の心配は完全に不要です。また、生命が生まれた海に戻れるということもあり、人気のある方法でもあります。
ただこの方法の場合、故人に会いに行くためには毎回船に乗らなければなりません。また、ピンポイントで散骨した場所に行くことはできず、手を合わせる場所がないのがデメリットとなることもあります。

墓じまいには、明確な正解不正解はありません。ご自身のライフスタイルや死生観にあわせた方法を選びましょう。

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